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東ジャワ州の州都で商業港として知られるスラバヤ市の北東の沖合いに浮かぶマドゥラ(Madura)島は、塩の生産と水牛レース(カラパン・サピ)でよく知られています。ジャワ本島のバティックが余りにも有名なため、表舞台に立つことはめったにありませんが、マドゥラ島は、知る人ぞ知る素晴らしいバティック文化を育んでいる土地なのです。中部ジャワやジャワ北岸他地域のモチーフの影響も受けていますが、草木や花そして鳥などが、コントラストを強調した色彩で描き出されています。まさにマドゥラ独特の手法です。ことに、イセン(isen)と呼ばれる細かい描写方法がよく知られています。同島にはバティック産業の中心地として二地域があります。北岸にある漁村のタンジュン・ブミ(Tanjung bumi) 、そして南岸のパムカサン(Pamekasan)周辺、ことにプロッポ(Proppo)村、そしてサンパン(Sampang)などです。
何よりも、他地域と比較した際のマドゥラ・バティックの特徴は、全ての布が手描き(Tulis)である点です。かつては自然染料による染が主流でしたが、現在では、その労力(良いものですと一枚仕上げるのに一年間費やします)やナフトール染料の普及に伴って、次第に姿を消しつつあります。地元のおばあちゃんに尋ねますと、その昔、藍はティンタ(Tinta)の葉や果肉から作り、赤はジャテ(Jati・チーク材)の葉から、そして茶系や赤系はメンクドゥ(Mengkudu)の根から、緑はアボカドの葉やロット・パロデン(Rot Paroden)の葉などから搾り出したそうです。
インドネシア文化宮(GBI)は、ジャカルタ特別州テキスタイル博物館の後援を受け、2004年10月16日~12月18日、『マドゥラ島バティック古布展』を東京で開催しました。この布は、展示品の提供者であるシティ・マイムナさん(マドゥラ在住で伝統バティックの復興活動をしています)が、最終日に行われた講演会資料として自らのコレクションを持参したもの一点です。
ちなみにこの布は、80-100年ものの傷んだ古布の復刻版です。マイムナさんは、現在、マドゥラバティック古布の復刻・復活を進めています。しかし、復刻といっても、総手描き、そして自然染料を用いるため、一枚の復刻には1年以上を要しているそうです。尚、『マドゥラ島バティック古布展』に関してはインドネシア文化宮のホームページ(過去のイベント)を参照してください。
この『Binatang(動物)』と題する古布は、およそ100年前にタンジュンブミ村で生産された布の復刻版です。総て自然染料で色づけされています。サイズはサルンが約104 X 252cm、スレンダン(三枚目の画像)が約51 X 204cm。配達時間の指定はできませんが、EXパックで発送し、送料は当方で負担いたします。
インドネシア文化宮GBI=Graha Budaya Indonesia)は、インドネシアの24時間ニューステレビ局『メトロTV』東京支局がプロデュースするインドネシア情報発信基地です。
インドネシア文化宮ブログサイト:http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/